高級クリスタルブランド・ラリック 公式サイト

ラリックの技術

ラリックのノウハウ - 受け継ぐ技術と伝統 -


◆ステップ1:はじめに
ラリック:豊かな感情に支えられた創造性
ラリックの工場は、ガラス工芸で有名なフランス・アルザス地方で、設立当初から無形の財産である技術を守って今日に至っています。
現在クリスタルで作られているラリックの作品には、一目でLaliqueとわかる特徴があります。ハンドメイドならではの造形と仕上げ、寓意を感じされるディテール。
クリアとサテン・クリスタルの特徴的なコントラストによって、あたかも彫刻のような造形美が生まれます。
アール・ヌーヴォーとアール・デコからインスピレーションを得た柔らかさ、女性らしさ、そして自然の美によってラリックの個性は確立されます。
◆ステップ2:製造
1921年から、ラリックのすべてのアイテムは、アルザス地方のヴィンゲン=シュール=モデールで製造されています。製造に関するノウハウは世代から世代へ受け継がれるラリックの財産であり、それが作品に個性を与え、評価を高めてきました。
工場の大きな誇りは、7名もの「MOF」(フランスの国家最優秀職人章)取得者を擁していることです。この勲功を得るためには、職人は伝統的な技術の継承と同時に、近代的な技術と創造性についても厳しい審査を受けなければなりません。
職人たちは、作業をするための道具も自分で作ります。作品だけでなく、それを作るための道具を、昔からの手作業の技術を駆使して作り上げていくのです。
型吹き成型、回転成型などの技法は本質的に昔も今も変わることはありません。高熱に溶けたクリスタルを手なずけるすべを熟知した熟練職人だけが、クリスタルに形と生命を与えることができます。
◆ステップ3:るつぼ製造
ラリックでは、クリスタルを溶解するための「坩堝(るつぼ)」をいまだに自社で手造りしています。るつぼは、純度の高い粘土で作られます。粘土の品質がるつぼの品質を決定し、従ってクリスタルの品質も決定します。るつぼ製造には9カ月かかります。完成したるつぼを窯に設置するのは危険を伴う作業です。1800度以上の温度を保っている窯の中から古いるつぼを取り出し、新しいるつぼを入れるのは、専門訓練を受け、防災服を身に付けた男性たちで、彼らは見事なチームワークによって、あたかも儀式のように交換作業を行います。交換後、クリスタルの温度が上昇するのに2日間かかります。
◆ステップ4:溶解 -クリスタルの錬金術ー
クリスタルの魔術は溶解中に起こります。この段階で、砂、カリ、酸化鉛、細かいクリスタルの破片「カレット」が秘密の割合で混ぜられ、他のガラスと一線を画す、輝くばかりの美しいクリスタルに生まれ変わります。
◆ステップ5:カラー
ラリックのクリスタルを特徴づける「カラー」。多くの研究によって、さまざまな金属酸化物が基本原材料に加えられ、それぞれが特有の色をクリスタルに与えます。これらの入念に開発された独自の配合物により、100以上に及ぶカラーとニュアンスのバリエーションが生まれ、豊かな色彩パレットを得ることができます。黒、赤、アンバー、アンティネア、オパルセントなど、作業が非常に難しいカラーもあります。例えば、オパルセントではクリスタルの透明性を保つため、ひとつのるつぼで一日だけ溶解させた原材料を使います。
職人たちは、毎日るつぼを空にして、新しい原材料を入れます。金を含む赤色の作品では、高度な技術と忍耐力が必要です。なぜならこの高温のホットステージでは、クリスタル自体はクリアなままで、赤い色は、再加熱後に出てくるからです。例えば「ボア」という花器の場合、発色まで6日間を要します。
また、カラークリスタルを溶解するつるぼは、淡い色から濃い色へと順に使わなければなりません。ブラッククリスタルを溶解したるつぼは二度と使えなくなります。
◆ステップ6:ホットワークの過程
クリスタルを巻き取る
クリスタルの製造過程は、極めて重要な二つのステージで構成されています。それは、「ホットガラス」と「コールドガラス」の工程です。ホットのステージでは、高温で溶けたクリスタルを集め、クリーニング、成型、再加熱などを行います。溶解したクリスタルを扱うのは、時間と温度との戦いです。そこからひとつひとつの作品が生まれます。職人たちは、溶解したクリスタルを竿でるつぼの中心から巻き取ります。火の玉となったクリスタル。大きなアイテムでは、この作業を繰り返し、巻き取られたクリスタルの重さは30kgにもおよびます。「クリーニング」とは、気泡と欠陥部分をはさみでクリスタルの火の玉から除去する作業です。

成型と再加熱
「型吹き成型」から「宙吹き成型」、大きな手動レバーを使ったプレス機の「プレス成型」まで、さまざまなテクニックがあります。それらはポンティと呼ばれる道具で、再加熱のアーチまで運ばれます。コンベアーベルトの上に置かれたアイテムは、ゆっくり、しかも慎重に徐冷されていきます。それによってクリスタルの内部張力が安定し衝撃にも強くなります。
◆ステップ7:コールドワークの過程
カッティングと修正
冷たくなって輪郭のできたクリスタルは、コールドワークの作業場で数々の手作業が施されます。この作業には、それぞれのアイテムの製造にかかる時間の四分の三もの時間がかれられます。ひとつのラリックの製品にはおよそ20人の手がかかりますが、このコールドワークの過程には最低でも12人が携わります。そしてこの過程こそが、ラリックの特徴を決定づけるといっても過言ではありません。
カッティングと修正と仕上げの工程の中で、ホットワークの作業工程で残った型の継ぎ目など、表面の修正・除去などが行われます。
◆ステップ8:仕上げ
彫刻と仕上げ
ディテールを強調し、生命と動きを与えるため、製品はそれぞれのデザイナーたちの意向に沿ってエングレーヴィングされます。髪の毛、裸婦の肢体、顔の細部などが再び彫刻されていくのです。それから仕上げの工程に移ります。仕上げにはいくつかの種類があり、それぞれが組み合わされることもあります。研磨、サティナージュ(サテン仕上げ)、サンドブラスト、マット仕上げ、エナメル仕上げなどが、特にラリックが得意とする技術です。アイテムの特徴や表情により、異なった技術が用いられます。デザイナーたちは、装飾、仕上げ、素材のすべてが完全に融和するよう、あらゆる点を考慮します。
◆ステップ9:「選択」
ラリックでは、「品質管理」という言葉ではなく、意図的に「選択」という言葉を使っています。技術的な基準だけではなく、デザイナーの意図を重視し、審美的な基準によって「選択」を行っています。すべてのアイテムは信頼と品質の証となるサインを入れる前に、この「選択」過程を通過しなければなりません。